【生産者向け】直売所での野菜の値段の付け方の見極め方について

ぼちぼち直売でズッキーニが売れ残るようになってきました。

それだけたくさん収穫、販売できるようになってきたからですが、だいたい全量の10%から20%。

生産者は売れ残りを極端に嫌がりますが、個人的には売れ残りが出るとたいへんうれしいです。

なぜうれしいのかということは、この記事の最後に書くことにしましょう。

ただ、売れ残りがうれしいといっても、緊張感は走ります。

緊張感が走る原因は、売れ残りが出たあたりからが適正価格の見極めの真剣勝負になってくるからです。

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何が原因で売れ残っているのか

もっとも重要なことは、何が原因で売れ残っているのかはっきりさせることです。

直売所の場合、いちばん多い原因はふたつで、ひとつは供給過多が原因。

もうひとつは、適正価格でないということ。

このふたつの要因は連動しています。

たとえば、ズッキーニをいろんな生産者が作って、供給過多になるとします。

そうすると、売れ残りを避けるために、どうしても価格を少しずつ下げていくことになります。

安い値段であれば、それだけ多くの買い手がつきますからね。

これは別に悪いことではありません。

たとえば、「今年はイワシが豊漁ですぞー」といって、スーパーでふだん300円のイワシが200円で売られることはよくあります。

その値段で売れば、ふだん100パックしか売れないイワシが200パック売れるとしたら、安売りしても儲けが出るというわけです。

値段が安ければ、消費者も喜んで買ってくれます。

ただ、供給過多でもないのに適正価格より安く売るのは考えものです。

需要と供給のバランスについて考える

さっきのイワシのたとえでいうと、「今年は不漁ですわー」というときに、豊漁のときと同じ価格をつけるのは問題ですよね。

イワシ全体の数が少ないので、高い値段をつけたことで買い手が少なくても、全部売れてしまうわけですから、高い値段でいいわけです。

ほしい人に買ってもらう、ということでいい。

話を直売所販売に戻して考えると、適正価格より安い価格で販売すると、生産者の利益にならないですし、何より消費者の感覚がデフレになってしまいます。

日本では長らくデフレが続いていて、この物価高騰の折に至ってなお、われわれはその感覚から抜け出せていない面があります。

とりわけふだんから安い買い物をしている主婦感覚の生産者は、地元の最安価格を基準に値付けをすることがあります。

しかしそれは残念ながら、消費者に「毎日こんなに安い値段で野菜が売られているのなら、もう安い野菜しか買わない」という意識付けを行ってしまうデメリットしかありません。

そうすると、直売所全体がデフレ市場になってしまい、すぐに生産者同士の安売り合戦が行われるという悪循環になってしまいます。

よそでは適正価格で売られているのに、この直売所では2割ほど値段を下げないとまともに売れない、なんてことになっている直売所はよく見かけます。

まあ、他の生産者のやることに文句を言っても始まりませんから、ぼくも含めてひとりひとりの生産者が、売れ残りの緊張感とたたかいながら、ギリギリの適正価格の見極めをしていく必要がある、というわけです。

売れ残りが出たら、すぐに値段を下げるべきか

さっきも言いましたが、生産者は売れ残りを嫌がります。

ぼくも以前は売れ残りが嫌いでした。

売れ残りが出ると、「よし、値段を下げてやろう」と思いがちですが、果たしてそれは正解なのか。

今のぼくの答えは、「ちょっと待て」です。

売れ残りが出てから、3日間。

まずは価格を据え置いて様子をみるべきです。

そうすることで、これはたまたまその日の集客が少なくて売れ残ったのか、やっぱり適正価格ではないから売れ残ったのか、はっきりします。

たまたま少し多めに売れ残っただけなのに、あわてて値下げをすると、もうその野菜の生産期間中は、値引きした価格で据え置いていくしかなくなってしまいます。

まず3日間待つこと。

そしてひとつ重要なことなんですが、直売所の生産者は必ず、いつ値引きに踏み切ったのかということを、ノートにつけておきましょう。

そうすることで、翌年も売れ残りが出始めるタイミングや、値引きのタイミングがわかるようになります。

きちんとメモを付けておけば、あわてることなく適正価格を見極めて、安定した供給を行うことができるようになるでしょう。

なぜ売れ残りが出るとうれしいのか

この記事の最初でぼくは、直売で売れ残りが出るとうれしい、と言いました。

なぜ売れ残りがうれしいのかというと、最後の最後まで自分の野菜が残っていたということだからです。

つまり、いちばん最後のお客さんにも、うちの野菜をみてもらうことができて、買おうかどうか考えていただく選択肢を与えることができたからです。

うちの直売所は、売れたときにすぐ連絡が入ってくるようなシステムはありません。

ですから、全部売り切れてしまったという場合、最後のお客さんが最後の野菜を買ってくれた可能性もありますが、もしかしたら午前中に全部売れてしまったのかもしれません。

もし午前中に全部売れてしまったのだとすれば、それは貴重な販売チャンスを逃したということです。

売れ残りが出たということは、それ自体は残念なことですが、間違いなく最後のお客さんまで自分の野菜が残っていたという明確な証明であり、それは「いいこと」なんです。

なぜいいことなのかというと、直売所にとって望ましいのは、閉店するときまで陳列棚が充実していたほうがいいからです。

人によっては、閉店時間ギリギリにしか買い物できない人もいます。その人が来るときにはいつも陳列棚はガラガラ、というのでは、お客さんもがっかりですし、直売所の客離れを招きます。

直売所の客離れは、生産者にとっても不利益です。

ですから、ぼくは個人的に、「売れ残りは直売所の肥やしである」と考えています。

直売所と生産者が共存共栄の関係だと思えば、売れ残りは決して悪いことではありません。

ただ望ましいのは、翌日に「ひとつ売れ残りがある」という状態です。

売れ残りが出ると、うれしい気持ちと同時に緊張感が走るのは、「ひとつ売れ残りがある」状態を作るために、適正価格の見極めや、各直売所での販売量のバランスなど、作戦を練る必要が出てくるからです。

自分だけよければいい、では共倒れになる

直売所では、生産者が他の生産者のことを考え、消費者のことを考え、直売所のことを考え、思いやりをもつ必要があります。

そうすれば、きっとよい市場を生み出すことができます。

逆に、自分さえよければいいんだといって、よそを出し抜くためにムリな安値で販売したり、野菜高騰の折に便乗で極端な値上げをしたり、「この直売所では売れないから」とまったく商品を出さない、なんてことをしていたら、市場全体が不利益をこうむるようになり、ひいては自分の首を絞めることになってしまいます。

というわけで、生産者の高齢化や、人手不足などいろいろ問題は山積しておりますが、地産地消の担い手である直売所を、これからも日本全国で盛り上げていきましょうぞ!

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