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百姓をやってきてもう10年近くになりますが、トマトほど育てるのが難しい野菜はない、というのが個人的な感想です。
もう結論といってしまっていいと思います。トマトは鉢植えで家の中で育てるか、丈夫な雨よけを作るか、ハウスでもなければうまく作ることなんてできませんよ。
よくみんなこんな難しい野菜を苦労して一生懸命育てるなあ、と思います。
いや、実際には育てるだけなら育ちます。今年は美味しいプチトマトが収穫できたし、直売所でも種代と肥料代とマルチ代を回収する程度には販売できました。
ただし、土地代や人件費などは一切回収できていません。つまり、儲けにはならなかったというわけで、どうしてなのかというと、雨が降って、トマトの実が全部きれいに裂けてしまったからです。
トマトというのはイタリアのように、年がら年中乾燥していて、あんまり雨が降らない地域に適性があります。
こういうところだと、無理してハウスや雨よけなどしなくても育つのかもしれませんが、日本はやっぱり多湿なのが致命的です。
梅雨があけて雨が少ない時期には好調なんですが、干天が続いたあとに、雨がちょろっと降るともうダメで、実が一気にパンクするのです。
そうなるともうトマト全体が水分過多になってしまうのか、続く実がぜんぶきれいに裂けていくというわけで、もう自家用にはなっても商売にはなりません。
その自家用でさえ、裂けた部分がかびたようになるものが多くて危なっかしいくらいです。
日本で営利でトマトを栽培しようと思うと、ハウスで乾湿をコントロールしながら育てないとうまくいきません。
基本的にトマトを出荷されている農家さんのほぼ100%がハウス栽培をしてらっしゃるのではないでしょうか。
うちのご近所さんは、毎年トマトを栽培するのですが、背の高い杭を打って、光を通すポリの波板を屋根にするという、ほとんど建築物を作るようなことをしながら栽培してらっしゃいます。
その建築物のごとき雨よけでさえ、台風がきたら吹き飛ばされることがありますし、栽培の苦労は並大抵ではありません。
このご苦労に感心するばかりですが、ぼくのような不精にはとてもやってられません。まして営利にしようなどとはとても思えません。
とはいえ、トマトではありませんが、ハウス栽培自体はいずれ百姓である程度暮らしができるというメドがたってから取り掛かりたい事業です。
といっても、いわゆる「ひとり農業」では荷が重いところがあるんですけどね。だいたいハウスは、ひとりじゃ組み立てることもできないですからなあ。
当然修理だって、ひとりではできないというわけで(笑)
で、話をトマトに戻しますけども、なんとか露地で栽培する方法はないものかと思案したんですけど、これはもう無理だな、とさじをなげてしまいました。
来年からはごく少量のトマトを、ごく簡素なビニールの雨よけを利用して栽培しようと思っています。
割竹と、このあたりでいうところの忍竹という笹をアーチにしたものを利用して作ろうと思ってるんですが、うまくいくかどうかは、さあご期待といったところ(笑)
まあ露地栽培で雨よけもせずトマトを作るというのはもうほとんど無謀だというのがよくわかりました。
お天道さんに向かって「おねげえだ、今年は暑くも寒くもなく、雨は極力少なくしてくんろ」などとお祈りするしかないというのでは、ちょっとどうしようもありません。
結局のところ、自家用と割り切って、屋根のある場所でプランターで育てるのが、いちばん賢いんではないかとさえ思えてきましたが、トマトというのは根がものすごく発達して、地中で2mほど広がるといいますから、一本のトマトを育てるのに、水瓶のようなプランターが必要になってしまいます。
まあトマト栽培は、営利でやるなら超本格的にハウス栽培で取り組まねばならないし、家庭菜園では金持ちの道楽のような労力がかかるし、そんな野菜でも日本中トマトが好きな人は実に多くて、やっぱり野菜作りの主役なんでしょうね。
もう、栽培するのやめちゃおうよ、とささやく自分と、やっぱり無理してでも頑張って作ったら、とささやく自分と引き合いになって、うーん(笑)