土づくりと石灰窒素の話

(´・∀・)p[☆。・:+こんにちゎ*:+:・゚☆]q

ぼちぼち地元のホームセンターで年末買いまとめの予約申し込み書が出回っています。

ふつうに買うよりずいぶん安く買えるので、ぼくも申し込み書のカタログを検討してるんですが、ふと目に留まったのが石灰窒素。

今年、うちは畑の土壌をもう少し見直そうと思って、総合微量要素やら石灰やらを買ってしっかり野菜作りをしようと思っていました。

で、石灰窒素の可能性を調べてるうちに、やっぱりこれはすごいぞ、と。

今まで、晩酌の習慣があったので敬遠してたんですけど、最近酒を控えるようになったから、石灰窒素もいいかなあ、なんて……。

……と、あんまり急いであれこれ話しても、百姓仕事に詳しくない方からすれば、なんのこっちゃ!? って話でしょうから、わかりやすくかみ砕いて説明していきますよ。

まず大前提としてぼくは、百姓をするにあたって、土づくりをきちんとすべきだと思ったわけです。

で、その一環として、石灰窒素がいいんじゃないかと思った。

どうして石灰窒素がいいと思ったのか、という話です。

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植物は勝手に育つ……わけではない

植物って、自生してるものをみれば人間がなーんにもしなくても勝手に育ってますでしょう?

でもそれは、その土地での生存競争に勝ち残った一部の種が、無機物が欠乏したガリガリの土地でも頑健に繁茂しているだけです。

われわれが野菜作りをするときに、そのままでいいのかというとそんなことはありません。

ほっといたら植物の生存競争に勝てないような野菜でも、人間の都合で育てたいのだから、われわれはそのための条件を整えてやらねばいけないわけです。

植物が育つ仕組みを理解する

まず、いちばん基本的な部分として、植物は光合成をおこないますよね。

きっとみなさんご存知でしょうけど、ここで改めて光合成とは何か。ごくかんたんに説明しましょう。

葉緑体を持っている植物は、水を吸い上げて、水素と酸素に分解します。

でも酸素は植物の体には要らないので、大気中に捨ててしまうのです。

さらに、植物は光を利用して空気中の二酸化炭素を吸収し、体に蓄えた水素と合成して、炭水化物(でんぷん、繊維質)の体を作っていきます。

「二酸化炭素」と「水素」だから「炭水化物」なのです。うまいことできてますでしょう。

これが光合成で、植物が成長する基本的な仕組みです。

ここで重要なのは、植物は水素とか酸素とか二酸化炭素とか、いわゆる学校で勉強した「元素記号表」に出てくるような元素をエサにしているということなんですね。

植物のエサは元素、ということがとても重要です。

植物の肥料の話

光合成は植物の成長の根源ですが、光合成以外でも植物はいろんな元素を必要とします。植物は根っこから、土中に含まれている自分に必要な元素を吸い上げて、よりよく成長に活かすのです。

いちばん必要なのが、窒素、リン酸、カリウム。

だいたいどの肥料にも含まれている、植物の三大栄養素です。

次に必要なのが、マグネシウム、カルシウム、硫黄。これらは三大栄養素ほど必要ではないけれど、それなりに必要な中量要素です。

マグネシウムは農家からは苦土という名前で親しまれていると思います。苦土石灰とか、苦土入り肥料なんて名前で売られています。

ちなみにカルシウムは石灰をやっていれば供給されるし、硫黄はふつうに肥料を使っていればそうそう欠乏するものではないです。

で、あとは微量要素として、ケイ素、鉄、マンガン、ホウ素などなど。

微量要素の中で、欠乏しやすいのはマンガンとホウ素で、あとはふつうに石灰や肥料をやっていれば供給されます。

ちょっと余談ですけど、よく野菜作りをしてると土がガリガリに痩せる、といいますけど、これは植物の根っこが土をもりもり食べて、土そのものが減ってしまう、という意味ではありません。

わかってる人からすれば、「そりゃそうだろう」とげらげら笑ってすませられる話なんですが、意外と百姓してる人でもわかってない人がいます。

「野菜作ってたら土が痩せて減るから堆肥をどっさり入れてバランスをとらんといかんぞ」なんていわれて、頭がクラクラしたことがあります(笑)

植物は、土を増やすことはあっても土を減らすことはありません。

だって、植物は光合成で炭水化物を自給するでしょう。その植物が枯れると、繊維質が土の上に堆積する。その繊維質のぶん、土は増えますが、植物は無機質以外に土を収奪することはありません。

植物はあくまで光合成で得られる以外の元素を土の中から吸い上げているだけで、この収奪ぶんはごくごく微量です。

土が減る要因は、雨による土の流亡や自然災害による地形の変化です。

ようやく本題へ

土づくりのバランスをどうとっていくか

さて、土づくりの話です。

植物は元素を吸い上げる、ということはわかってもらえたと思いますけど、じゃあわれわれは耕した畑に、何にも考えず、窒素、リン酸、カリ、カルシウム、マグネシウム、硫黄、ケイ素、マンガン、ホウ素など、栄養素をどんどん大量に施していれば、勝手に野菜もうまく育つ……でしょうか?

答えは、「そんなことをしちゃあダメ」です。

どうしてかというと、理由はふたつあります。

まずひとつは、植物には元素が足りないと欠乏症という病気が出ますが、供給が多すぎると過剰症という病気が出るからです。

これは人間もそうですね。栄養不足もいけないけど、栄養過多もよろしくない、という理屈は、植物も同じ。

もうひとつは、肥料をたくさんやりすぎると、土に塩類がたまって、植物がまともに育たない土壌になってしまうからです。

これは専門的な言い方では「塩類集積」なんていわれてます。

これもごくごくかんたんに説明しましょう。

われわれが肥料を施すのは元素を与えるのが目的なんですが、単純に元素だけを供給してるわけじゃなくて、余計な塩類も一緒に供給してるんです。

たとえばカリウムだけ肥料としてやりたいとき、ホームセンターに行くと「塩化カリ」という科学肥料が売ってると思います。

これ、余計な「塩化」ってのがくっついてるでしょう。これが塩類です。

肥料の袋に塩化という言葉がくっついてなくても、堆肥でも鶏糞でも、やりすぎると余計な塩類が土壌にたまってしまいます。

本来必要な肥料分以外の塩類が大量に土にたまってしまうことで、植物がうまく育たなくなってしまうのです。

なので、肥料はかなり工夫して、適正にやらないと、せっかくの土がダメになってしまいかねません。

日本では雨が多いので、露地栽培をしていると塩類の集積は起こりにくく、そのためあまり問題視されないで、ガバガバ肥料を投入されるケースが多いのですが、肥料は限りある資源ですし、肥料コストを考えるうえでも「必要な時に必要なだけ」という考え方が大事です。

そこで、ようやく最初の話に立ち返って、石灰窒素です。

石灰窒素、すごくない?

石灰窒素の効能をあげると、

  • 土中の有機物の分解と腐植をうながす
  • 消石灰と同量のアルカリ分を供給し、カルシウムも供給する
  • 石灰窒素に含まれるカルシウムシアナミドという農薬成分は殺菌、除草効果を持っていて、センチュウを駆除し、雑草の発生を予防
  • 緩効性の窒素成分が植物の生育を長くサポート

別に石灰窒素業者の回し者じゃないけど、この効果は土づくりにはあまりにも拍子が揃いすぎています。三拍子どころじゃないよ。

石灰窒素を適正にやっていれば、もう石灰を買う必要がなくなります。さらに窒素が穏やかに効いてくる畑になるので、栽培中の肥料のコントロールが容易になります。

一般的な安い高度化成は、人間の食事でいえば超高カロリーで血糖値を一気に上げる食材のようなもので、一気に満たされるけど、飢えるのも早いといった特徴があります。

ですからどうしても頻繁な追肥で生育をコントロールしようとしてしまうのですが、石灰窒素を使えば初期生育はサポートしてくれますから、心理的にも初期の肥料過多を抑えることができます。

また石灰窒素に含まれるシアナミドは土中のセンチュウを殺してくれる作用があるので、作物に障害が起こりにくくなります。

たとえばニンニクを連作する場合は、畑を休ませている間にソルゴーと石灰窒素を利用して緑肥と障害を抑えるといった栽培法もあるようです。

ソルゴーとはとうもろこしの仲間なんですが、地中の塩類をよく吸収してくれるうえに、一か月であっという間に繁茂して、葉が柔らかいのでそのまますきこめば堆肥になってくれる。ここに石灰窒素を加えて腐熟を促し、また10月にニンニクを植え付けていく、というサイクルだと、連作障害が起こらないのだそうな。

よくよく考えると、石灰窒素を利用した農業というのはずいぶん省力的です。やりようによっちゃ連作障害を回避するための堆肥の連投を回避できるし、石灰散布の手間も省ける。

そこに付随して、緩効性窒素肥料が長効きしてくれるし、軽い除草効果も見込めます。

うーん。石灰窒素。来年は有効活用してより品質のいい野菜作りに活かせそうな予感……!!

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