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「春に三日の晴れなし」という言葉があります。
個人的にはこの言葉は、早く種まきをしたい農家のじれったい心情をあらわしているのではないかな、と勝手に思ってるんですが、それくらい春の天気は変わりやすくて、晴れが続かないのです。
とりわけ日本海側は季節風の影響を受けるので、冬の間は雪と雨がずっと続きます。太平洋側は冬の間もカラッと晴れていることが多いのですが、それは日本海側が全部雨を引き受けているからなのです。
しかしいくら日本海側にしても今年はずいぶんじゅくじゅくとしているし、春の嵐が長いです。3月に入ってから好天に恵まれるタイミングを探してるのですが、なかなか土が乾かなくて、このままだと作付けが4月までのびそうです。
3月中にカブの作付けすることを当て込んで、2月に肥料をやっておいた圃場がそのままになってしまって残念ですが、こればかりはお天道様のやることだから仕方ないですね。
というわけで、今日は個人的な話ではありますが、春からの野菜作りのスケジュールについて書きまとめていきたいと思います。
カブの作付け今後の作戦
今年ぼくが考えていたのはカブの早期作付けだったのですが、これはどうも思ったようにはいきませんでした。
3月中旬から半月ごとに作付けして、直売販売していく予定でした。
これが半月ほど伸びそうなので、そのぶん一回の作付けスペースを増やすことになりそうです。
作付けスペースを増やすことで、栽培したぶんが売り切れるかどうかが課題になってくるのですが、実は今年になって新しいスーパーでの販路がひとつ増えたので、これによって一回で販売できる野菜が増やせそうなのは助かりました。
販路が増えると、作付けも大きく取りまわすことができるようになります。これはほんとうに助かることです。
今年の春のカブ栽培は4月から5月中旬までの一か月半で一気に勝負を仕掛けていくことになりそうです。
しかもぼくは今年から家庭菜園を始めますから、4月はその他にも多くの野菜を播種、作付けしていくこととなって忙しくなりそうです。
今年ぼくは家庭菜園をがんばる
今年、本業の野菜作りの作業の間を縫うようにして、ぼくは自分が食べる&研究するための家庭菜園を作ります。
仕事で野菜を作って、趣味で野菜を作ろうというのだから、自分でもなんだかおかしなことをしている気分になります。
家庭菜園では、ごぼう、キュウリ、ゴーヤ、トマト、とうがらし、とうもろこし、キャベツ、なすびを育てます。
営利で作っている野菜より家庭菜園のほうが栽培する野菜の品目は多いんですが、1アールほどの狭い圃場で作りますから、手間自体はあまりかかりません。
菜園用の野菜はなぜ営利にしないの?
菜園用の野菜は、値段の変動が大きかったり、当地では栽培がむずかしかったり、あまり市場の需要がなかったりするといった問題があるのですが、自家用では重宝する野菜だったりします。
ごぼうはうちのような重粘土ではきわめて作りづらく、あのスイーッと細長いごぼうは、関東や九州の火山灰土が適しています。
うちのような土ではいわゆる短根種といって、まるで木の根のように太く、又根になりながら育つ品種ならうまく育ちます。ただこのごぼうはやはり見た目が悪いし、収穫もたいへんで、市場性も低いので、あくまで自家用になるというわけです。
キュウリの場合は、昨今の酷暑においては灌水設備のない場所では安定した栽培がむずかしく、うちのように利水に難がある場所ではやはり自家用に回すのが安全です。
トマトは露地で栽培するのがそもそもむずかしいし、シーズンになると厳密に管理されたハウス栽培の良質なものが大量に出回るので、勝負する必要がありません。
とうもろこしは最近のあまーい品種は、カラス、害獣、虫の格好の餌食になります。八方敵だらけというやつです。
広範囲にやればやるほど対策が必要になってくるし、それ以前にとうもろこしって利益率が低いんですよね。
買うとなると高いんですけど、作る側としてはあんまり土地単価が上がらないうえに、これもまた灌水設備がないと夏の干天で実がしなびてしまったりしますから、気難しい面があります。
なのでとうもろこしも広い圃場をもって、獣害や鳥害が少ない圃場をお持ちの専業農家さんに任せて、うちでは自家栽培に回します。
キャベツは言うまでもなく、こちらがどれだけうまく作ろうが、全体の需給で値段が倍になったり2分の1になったりと、価格変動がいちばん大きい野菜です。
ぼくのような零細の百姓が営利にしても振り回されるだけですから、これも産地の農家さんに任せて、うちは自家用に回します。
ナスは、どうもこのあたりでは土がうまく合わないのか、周囲でも上手に作れたという話をあまり聞きません。ぼくもナスはうまく作れたことがなくて、おもしろくないのでしばらく作ってなかったんですが、今年は栽培の研究もかねてもう一度チャレンジしてみることにしました。
しかしナスも干害には弱くて、雨が降らないと実がカチカチに締まってしまい、品質が落ちてしまいます。
と、家庭菜園に回す野菜は、それぞれうちでは営利にしづらいネガティブな理由があります。
こうやって説明すると、夏野菜なのに干天だとか干害でうまくいかないという話ばかりしているように思えますが、これもきちんと理由があるのです。
年々夏が暑くなっている
下のグラフは、気象庁が公開している「日本の年平均気温偏差(℃)」を、エクセルでグラフに直してみたものです。
これをみると、日本は確かに年々暑くなってきているということがわかります。
1950年代くらいから寒さの底が上がってきて、1980年くらいから、一気に右肩上がりに暑くなってきているのがわかると思います。
ぼくはこれはいわゆる人為的な温暖化ではなくて、太陽系としての地球のバランスの問題だと思っていますが、それでも統計的にみて確実に温暖傾向にあるのだということは間違いないので、われわれの百姓仕事はこの統計に合わせていく必要があるというわけです。
たとえば、昔の日本の原風景で、トマトやキュウリを笹竹を支柱にして栽培しているものがありますが、お年寄りに話をうかがうと、今でもキュウリは育てるのに苦労がないと思ってる方が実に多いのです。
けれど、2000年代に入ってからは、キュウリはむしろ夏に作りづらい野菜と考えていいのかもしれません。
キュウリの生育適温は20度台で、30度を超えると生育が悪くなるのです。しかも水が必要な野菜で、干天が続くと表面がコルク状になったり、中にすが入ったりします。
「昔の人のいうことはよく聞きなさい」というのはぼくも大事なことだと思いますが、あえて付け足すとすれば、「昔の人のいうことは、現代感覚と合わせてよく聞きなさい」ということになるでしょうか(笑)