野菜百姓、温暖化にボヤく

もう、めちゃくちゃ暑いですね。

5月の間に30度を超えてくるというのですが、なんと京都の内陸部では35度を超えるかもしれないそうで、ここまで暑いのは前代未聞だということをラジオの気象予報士が言ってました。

35度以上になると気象用語では「猛暑日」というらしいのですが、京都で5月中に猛暑日になるというのは過去に例がないそうです。

過去といっても、日本で気象観測が記録されたのは1800年代末ごろからです。

なので、ここ100年ちょっとの記録の中で例がないということですね。

そりゃ地球が誕生したころは地球全体がぐつぐつと燃えたぎっていたわけですから、そのころと比べると今はかなり「寒い」といっていいでしょう。

とアカデミックな冗談はさておき、じつは気象庁が記録を始めてからというもの、日本の気温がどんどん上がっているのは間違いない事実です。

気象庁によると、この100年で日本の平均気温は、1.21度上昇しているのです。

なんとなく、1.21度上がった、といわれてもピンとこないかもしれません。

毎日その程度暑い程度だったら、たいしたことないな、というのが実感ではないでしょうか。

ところが、「平均」というのはちょっとクセモノなんです。

おかしなたとえですが、ぼくは先日Twitterで、自分の平均ツイート数を調べてもらいました。

すると、これまでの平均ツイート数は6回なのだそうです。

あれ、ずいぶん少ないな、と思いました。

ぼくはもっと毎日たくさんつぶやいているつもりでいたのですが、実際には毎日たった6回ほどしかつぶやいていないのだそうです。

考えてみればわかることですが、これはぼくが20回つぶやく日もあれば、1回しかつぶやかない日もあるからですね。

そういうツイート数のムラを足して、日数で割れば、平均してぼくは6回しかつぶやいていないというのです。

これを調べたのがTwitterをはじめてから99日目のことでした。

これに6をかけると、594回ツイートをしたことになります。

引用やリツイートを含めなければ、こんなものなのかもしれませんね。

それじゃあ、この99日で平均6回のツイートを、次の99日のツイートで平均7回に増やそうとすると、つぶやく数をいくつ増やせばいいのか。

これは、これまで594回のつぶやきを、次は約800回に増やさねばなりません。

平均を1回増やすために200回もツイートを増やさなくちゃならないわけで、こうやってまとまった数字でみてみると、ずいぶんたいへんな作業だということがわかりますね。

話を天気に戻しましょう。

この100年で気温が平均で1.21度上昇しているということは、そのまま足し算すると、100年前に比べて一年に合計441.65度も気温が上昇しているのです。

その441度ぶんのしわよせが、このまだ5月だというのに異様に暑いというような形であらわれているというわけですね。

そのうえ、うちのあたりでは5月に入ってから雨が降っていません。

先日、ようやく恵みの雨になるかと思われた雨雲は、災害レベルの線状降水帯となって南で滞留したあと、一気に東へ抜けていきました。

この雨が降るまで、うちのあたりでは本来5月に降るべき量の20パーセントしか雨がなかったのだそうです。

例年の5分の1ではさすがに困ります。

先日の大雨でも、ようやく当地は平年の40%になった程度で、これはもう雨ごいでもしたくなるような状況です。

収穫時期を迎えたカブは、この少雨でずいぶん形が悪くなってしまいました。

味は形ほど悪くはなくておいしいんですが、形が悪いとやっぱり買い手も躊躇してしまうというわけで、これはもうお天道さんを恨むしかありません。

ところで、去年もうちのあたりは7月に豪雨災害があって、そこから9月に入るまで2か月、ほとんど雨が降りませんでした。

台風さえ、風ばかりでほとんど湿り気をもたらさないものだから、いったいどうなってしまったんだと頭を抱えました。

周囲で直売所向けに露地(ハウス栽培ではないふつうの畑での栽培)でキュウリを作っている人は、天水任せでやっていると軒並み出荷できない状態になってしまいました。

しかしキュウリはそれでなくても近年、温暖化で盛夏の露地栽培がむずかしくなってきましたね。

昔のお盆ごろの日本の原風景というと、トマトやナスやキュウリが畑に植わっているのを想像するでしょう。

この原風景が変わりつつあるのです。

戦前から戦後あたりは、真夏でも気温が30度を超える程度だったそうです。キュウリは栽培適温が25度から30度あたりで、それを超えてくると生育の勢いが落ちてきます。

そういうキュウリの特性を知ると、真夏の露地でキュウリ栽培がうまくできた理由がわかりますね。

現代の真夏は気温が35度を超えてカラッカラに乾くものだから、キュウリもナスも、実がなってもスカスカのカサカサのものばかりです。

日本の原風景を想像して真夏に向けてキュウリやナスを作ってもろくなものができないというので、最近ではご近所さんたちも、「夏野菜は秋に向けて作るとうまくできる」なんてことを言って、真夏に種まきをして秋に収穫ができるよう工夫をなさってます。

ところで、今年の5月は暑さもたいがいですが、雨も降らないので困ってます。

どうも読売新聞の記事を読むと、今年は前線の張り出しが弱いそうで、6月になっても雨が少ない見込みなんだそうです。

それで7月になったら今度は豪雨に注意が必要だというのだから、まいりました。

まだ涼しいはずのこの時期に真夏のような天気で、しかも雨が降らない。

こんな状況だと雑草さえ元気がなくなります。土はカサカサで砂みたいになってるし、雑草もヘナッとしてて元気がないし、なんだかこのまま日本が砂漠になっちゃうんじゃないか、という気さえしてきます。

それでもしかしたら日本の平均雨量も減少傾向にあるのではないかと思い、気象庁のデータを調べたのですが、雨量は増加も減少もしていませんでした。

ちょっとホッとした……と言いたいところなんですが。

結局降らなかったぶん、災害レベルの豪雨が突然降ったりするというのは非常に迷惑な話です。

それに、雨量が増えも減りもしていないというのは、気温が上昇して今までより地上の水分が余計に蒸発していることを考えると、トータルではやっぱり乾燥してるのではないか、という気がしてきます。

そんな状況で、降水量が異常に少ない「旱魃」が起こってしまったら、たいへんな状況になっちゃうのではないか。

……。

なんか、こういうふうに考えが悪いほうへ悪いほうへ進むのはじつによくないですね。

昔の人もきっとぼくと同じように、コントロールしようのない天気に対して、絶望と畏怖の念をもって、異常気象に見舞われないよう、「豊作祈願」や「雨ごい」なんてことをしたんだろうなと思います。

しかし、このような暑くて乾燥する状況にもいいところはあります。

まずは、当地では冬の除雪作業が減りました。

30年ほど前は体感的にも今より雪がよく積もったといいます。

日本海側はどうしても雪害がつきものですが、こればかりは温暖化の恩恵だと思っています。

あと、気温が高くて雨が降らないというようなことがあると、草の伸びるペースも遅くなるので、ゆとりをもって草刈りをすることができるようになります。

それに、晴れている時間が長いとそのぶんまとめて野良仕事ができるのも、メリットです。

まあこれは、野菜百姓にとっては諸刃の剣ですね(笑)

あと、夏にキュウリはうまく育たなくなりましたが、オクラはよく育つようになりました。

オクラの原産地には諸説あって、アフリカのエチオピアという説が有力ですが、インドが原産でそこからアフリカで定着したという説もあります。

つまりオクラはあたたかい地域で育つ野菜でして、これがうちのあたりでは夏によく育つのです。

まあ、何事も見方を変えればいいところも悪いところもあるわけですが、われわれはできるだけ変化のない生活を望むものです。

だから気温が変わるとか、社会が変わるとか、そういう目まぐるしさに巻き込まれるとついぼやいてしまいますね。

それでも結局は変化に対してわれわれのほうから合わせていくしかないわけで、たいていの場合は何とかなるものだ、ということを信じながら、今日も野良仕事に精を出すわけです。

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【参考サイト】

【気象庁】日本の年平均気温偏差の経年変化(1898〜2018年)

https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/index.html

【読売新聞】今年の梅雨、7月は豪雨に要警戒…気象情報会社

https://www.yomiuri.co.jp/national/20190521-OYT1T50217/

【ウィキペディア】オクラ

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%AF%E3%83%A9

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