タマネギの苗を盗んだ小田原市の男について考える

67歳の小島儀信容疑者が、ブランドタマネギの苗を3000本盗んだ疑いで逮捕されたのだそうです。

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20191213-00428902-fnn-soci

被害額は1万5千円だというのですが、これはあくまで苗の値段ですね。

実際には盗んだ男を特定したりする手間もかかるし、きちんと育っていればブランド価値のついた高値で取引されていたはずです。

最近こういう野菜が盗まれたというようなニュースをちょくちょく聞きます。

そういえばうちの近所でも今年、家庭菜園で作られていたイモがあちこちで盗まれるという話を聞きました。

盗まれた人から話をうかがうと、だいたいだれが盗んだか見当はついている、ということだったんですが、ほんの1アールほどの家庭菜園に野外用の防犯カメラを買って取り付けるというのも非現実的な話で、そのあたりの事情をわかったうえで盗んだのだとしたらいよいよ狡猾です。

それで、どうもあちこちでおなじ野菜を盗むというのは、それらをまとめて市場に持ち込んで売ってるんじゃないかという話でした。

といってもイモですからね。いくら売ったって家庭菜園の寄せ集めじゃたいした稼ぎにもなりません。

どうしてそんなリスクを冒してまで人の努力を踏みにじるようなことをするんだろう。

いまどき、車にだってカメラがついている時代で、個人的に家から往来を撮影しているところだってあります。本気でやろうと思えばいくら田舎とはいえ、どこかで犯人が撮影されている可能性はじゅうぶんあります。

もうそういう時代なんだ、という考えなしに、いまだにこういう犯罪が後を絶たないのはじつに不思議です。

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その人の努力を考えればできることではない

ぼくがいちばん理解できないのは、この容疑者はなぜ人の苦労を蹂躙するようなことをしたのだろうか、ということです。

そうしてまでタマネギの苗を盗まねばならなかった理由はなんだったんでしょう。

タマネギの苗を作るのはむずかしいことじゃありません。

ニュースの映像をみていると、わざわざ穴あきマルチを張って植え付けていたので、それができるのなら、3000本くらいの苗を作るのもむずかしくなかったはずです。

ブランドタマネギということですから種の価格が高いのかと思いましたが、3000本で1万5千円ならホームセンターで売ってるF1品種の種を育てるのと値段はさほど変わりません。

もしかしたら地域全体で種を管理して、契約している農家にしか流通しないようにしていたのかもしれません。

いまネットで種が販売されているか検索してみましたが、販売はされていないようでした。

仮にそうだったとしても、窃盗してまで育てたいと思うほどのものなのか。

しかし、地域で管理しているブランドタマネギをこっそり育てるまではいいとして、それをいったいどのように売ってたんでしょうね。ブランドの名前で売ったらさすがに「おまえはだれなんだ」ということになるでしょうし、ふつうのタマネギとして売ってたんでしょうか。

憶測で考えたってキリがないんですが、いずれにせよ、百姓って泥棒してまでやるようなことじゃないですよ。

ぼくは百姓仕事というのは、地域の環境保全だとか地元の人との思いやり、分け合い、助け合いの意識でやっていくものだと思ってます。他人の苦労をかすめとってやるくらいなら、ほかにいくらでも割のいい仕事はあるはずです。

自分が汗水たらして百姓仕事をしているのに、ほかの農家のご苦労がわからなかったんでしょうか。

最近よく聞かれるのは、外国人留学生が不当労働に反発しての犯行だとか、おなじく外国人グループによるトラクターの窃盗だとか、そういう話です。

あれはあれでずいぶん田舎もきなくさくなってきたな、という気がしたものですが、今回のような、同胞にもかかわらず他人をおもんぱかる気持ちの著しく欠如した犯行のニュースを聞くと、いよいよ気が滅入ります。

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