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今日、ウェブの朝日新聞をみてたら、こんな記事が載ってました。
芝生広場が穴だらけ…イノシシ集団、連日掘り返して悲鳴
https://www.asahi.com/articles/ASL4W5QQZL4WOBJB00N.html
至るところに穴、穴、穴。ツツジなど花の名所で知られる愛知県豊田市の県緑化センターで、芝生広場の大半が掘り返されて荒れ地のようになっている。「犯人」はイノシシ。今年度、4基の捕獲用おりを設置するなど対策に乗り出した。
どういうことかというと、愛知県豊田市の県緑化センターで、なにものかに芝生広場の大半が掘り返されてしまったんだそうな。
4万7千平方メートルある芝生広場の大半が被害に遭って、7500平方メートルは修復が必要というのだから、相当です。
7500平方メートルというと、われわれ百姓はつい、「75アール」とか「7反5畝」なんて形で言い換えてしまいますが、ようするに100メートル×75メートルの範囲が修繕が必要なほどのイノシシ被害にあったというのだから、これはたいへんなことです。
対策をとるというんですが、捕獲檻を4基設置し、網や柵を張り巡らせて、芝生の修復工事をすることで、計約900万かかるとのこと。いやはや……。
全国的に山の獣が増えてきた
最近うちのあたりでも獣が増えてきましてね。
昔は少なかったのか、というと、やっぱり少なかったらしいです。
なんで少ないかというと、みんな捕まえて食ってたからです。
また、戦後までさかのぼると豚肉の価格は、なんと100g1000円もしていたそうで、高級品だったんですね。ですから、田舎で獣を捕まえるのは、かなりいい商売だったようです。
それにだいたい半世紀もさかのぼれば、今ほどどこにでもスーパーやコンビニがあったわけでなし、それどころか、一家に一台自家用車があるという時代でもありませんでした。
田舎だと何でも自給自足で、当然肉も自分で調達しないと、牛豚鶏がどこでも買えるということはありません。田舎では必然的に狩猟肉の需要が高まるというわけです。
捕まえ方も、罠の場合、昔は今よりはるかに楽なやり方で捕まえてたんですよね。
落とし穴とか、胴くくり罠とか、トラばさみなどなど。
どうして今、楽なやり方で捕まえられないのかというと、人間が山に入って罠にかかって危険な目にある可能性があるからです。
今は基本的に、鉄砲を使った狩猟をのぞけば、捕獲檻で捕まえるか、足のくくり罠で捕まえるかの二種類ですね。
昔は狩猟肉に需要があって、山の獣は高く買い取ってもらえたので、猟師は冬の間だけで一年楽に暮らせるだけの稼ぎを得ることができたそうです。
その当時は冬期の猟期だけで一年通じて獣が里山に降りてこなくなるくらいさかんに狩猟が行われてたそうです。
確かに、昔は今ほど野菜が獣害にあうこともなかったといいますし、今みたいに電柵を張り巡らせる必要もありませんでした。
今は猟期だけでは獣が減らないので、夏期の有害鳥獣駆除で相当数の獣を駆除しなければなりません。
その有害鳥獣駆除も、行政から補助金が出るため肉としての利用はできず、捕まえたら殺して焼却処理をするだけなんだそうな。
命をいただくという意識の強い猟師にとって、「殺すためだけの狩猟」には相当抵抗があるようです。
最近の狩猟環境がむずかしくなってきたのは、狩猟をしておられるご近所さんも言っておられます。
そんな中で、猟師の高齢化もあいまって、人間が狩猟をしなくなったために、山の獣が増えてしまって、山間部の暮らしに直接影響が出るようになってきています。
人間は山の獣の捕食者として、重要な役割を担っている
最近、ツイッターでこんな興味深いツイートをみかけました。
生態系
肉食動物を追加することで植物が生き延びている様子。
草食動物が列を成して食いつぶそうとする。
↓
肉食動物がその列を切って植物を逃がす。という流れが観察できます。 pic.twitter.com/OYno2DTg5T
— ほら (@hora_algebra) 2018年4月20日
このツイートをみたときに、ああこれは本当にその通りだと思ったんですよね。
最近、うちのあたりでは山の斜面の草が獣に食べられたり、獣が踏み荒らして崩されて、土砂崩れが起きるというケースが多発しています。
山の獣が山の植物を食い荒らしているのです。
で、このツイートにある「肉食動物」というのは、日本の場合は、われわれ人間なんですよね。
日本では山にライオンがいるわけでなし、イノシシやシカをとって食うような生き物はいないわけです。
人間が狩猟をして適切に山の獣の数をコントロールしていくことで、山林の保全や、山間部の里山の安全につながるというわけです。
けれど、今は狩猟で山の獣が減らないので、山が荒れてくるというわけです。
ひと昔前にテレビで取り上げられてましたけど、無人島でヤギが繁殖しすぎて、島の植物がまともに育たず裸の岩山になってるという異様な光景がありました。
日本の山林の多様性を考えると、あそこまで生態系のバランスが崩れることはないと思いますが、もしかしたらこれから数十年後の日本の里山は、獣によって現在とは違う姿を見せている可能性はあると思います。