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あんまり大きなニュースにはなってませんが、今年度は20世紀、21世紀合わせても5本の指に入るくらいの暖冬だったのではないかと思います。
「ここまで雪が降らん年は知らん」
とこの土地に住まう80を越えた方がおっしゃるのだから、相当なものです。
気象庁のデータをみても確実に温暖化傾向にあるようです。
ぼくはそれを人為的なものだとは思いませんが、温暖傾向にあるのは間違いないことなので、百姓としてはそういった気温傾向に合わせた野菜作りをしていくべきだろうなと思っています。
のっけから本題に入らずに話がそれてしまうのですが、昔の野菜作りでは夏の野菜作りの定番はキュウリでした。
今でも直売所では夏になるとキュウリがたくさん並びます。特にお年寄りはキュウリの栽培に一生懸命になる人が多くて、需給のバランスが悪くなるくらいキュウリだらけになります。
しかしどうも、ぼくも含めてまわりもなんですが、キュウリは出来不出来がはなはだしくて、露地で栽培してるとバクチをしているような気分になることがあります。
営利でバクチをするわけにはいきませんし、「今年はうまくできなかったなあ」と笑っている場合ではありません。
それで去年小規模に栽培したのがやっぱりうまくいかなかったのに懲りて、もうキュウリは作らないでおこうと決めたんですが、温暖化傾向について知って、そりゃあキュウリができないわけだよ、と納得しました。
キュウリの生育適温は25度くらいで、30度を超えると生育が悪くなるのです。
キュウリという野菜は、25度くらいの気温で、しかもふんだんに水が必要です。畝は乾燥させながら、畝間に水があって湿ってるというのがいいんです。
1960年代くらいまでは、日本の夏は涼しかったようです。
うちの集落のお年寄りも、「昔は30度を超えたらあつうて騒ぐくらいやったんやで」とおっしゃいます。
今は、30度を超えたくらいでは誰も騒ぎません。毎年のように35度、40度にまでなりうるからです。
昨今の温暖化によって、夏は35度を超えることも多く、雨はというと降らないとなるとまったく降らないし、降るとなると線状降水帯を伴って災害レベルの大雨になる。
そうなってくると、キュウリという野菜は、もう夏の定番として栽培するのには適してないのではないかという気がします。
そのように、温暖化傾向が野菜作りに影響を与えていると感じることもしばしばなんですが、温暖化は日本海側の冬にとってはありがたいこともあります。
何よりありがたいのは除雪機を動かす機会が少なくてすむ、ということですね。あとは水道管が凍結しないとか。
ほかにも、ささやかないい思いができるのですが、これは野菜作りをしている方しかわかっていただけないだろうなあ。
サトイモが腐らなかった
サトイモを保存するときには、「室(むろ)」があると便利です。
室とは、山の急斜面に穴を作って、そこに冬を越させる野菜を保存しておくんですね。
室の中は外が氷点下になっているときも5度から10度くらいで安定しており、野菜が腐らないのです。
ところがうちには室がありませんから、毎年サトイモの一部が腐ってしまいます。
畑に穴を掘って保存するという手段もあるのですが、なかなかたいへんなので、今年は種芋にするぶんを段ボールにいれて、使い古しの毛布でくるんで、さらに今は使っていない米を貯蔵する保管庫に入れて、離れの物置の中に保存しておきました。
室ほどではありませんが、ある程度は凍み腐れを予防する効果があるのではないかと思ったのです。
ちなみにこのとき保存用の種芋は、収穫したときのまま崩さないようしましょう。つまり、芋をひとつひとつほぐしてしまうことはせずに、親芋、子芋、孫芋に土が付いたままの状態で保存するのです。
なぜかというと、芋を切り離してしまうと、その切り口から芋が凍み枯れてしまう危険性が高くなってしまうからです。
しかし今年は暖冬だったおかげで、外に放り出していたくずのサトイモさえあまり腐らず、当然保管庫のサトイモもほとんどが無事でした。
まあ毎年こんな調子にはいかないでしょうけど、ご近所さんも「サトイモがこない腐らんのは珍しいわ」と喜んでおられました。
そんなサトイモの芽出しをする
さて、ようやく本題です。
サトイモは4月から5月あたりにかけて「芽出し」をします。
サトイモは冬を越す間に、多少凍み枯れてしまうことがある、というのはさっき言いました。
しかし、ごく一部が多少腐っているだけだと、触っただけではわからないこともあります。
見た目はものすごく元気そうな芋に見えるのです。
これを、そのまま畑に植え付けてしまったとすると、どうなるか。
一部が凍み枯れているものは、やはり健全に生育しないし、それどころかほとんどが発芽しません。
元気そうな種芋だからとそのまま畑に植えていくと、発芽するものと発芽しないものとで歯抜けが多くなってしまうというわけです。
この歯抜けをできるだけなくすために、サトイモを植える際には、まず芽出しという作業が必要になってくるわけです。
具体的にどうするかというと、まずはサトイモのかたまりをほぐして、できるだけ形の大きいものを選別します。
あまりに小さいサトイモは、大きく育ちませんし、大きかったり小さかったりしたものが混じっていると、生育が揃わなくなります。
サトイモは形のよいしっかりと大きいイモを種に使うことで、よりよい収穫が見込めます。
百姓としては、形のいいものは売ってしまうなり自分で食べたりするなりで消費して、形の悪いものや小さいものを種芋にしたいと思ってしまうものですけどね(笑)
そうやって欲をかいてしまうと、いいサトイモがとれないというわけです。
なので、このときにはじいた小さなサトイモは、早いうちに自家用で消費してしまいましょう。
で、形のいいサトイモを、土といっしょにトロ箱に入れます。
https://box.yahoo.co.jp/guest/viewer?sid=box-l-syzeb3x4afr2yrqlpniyptzydi-1001&uniqid=ec3b7eda-ef36-46e9-a6a3-bf5f84d85266&viewtype=detail
トロ箱というのは、もともとはコンクリートなどを練るために使う箱なんですが、平たくて深さもちょうどいいので、今年はサトイモの芽出しに使わせてもらうことにしました。
もうすでに4月初旬の時点で、サトイモは少し芽が出ています。
https://box.yahoo.co.jp/guest/viewer?sid=box-l-syzeb3x4afr2yrqlpniyptzydi-1001&uniqid=e415e3bd-b2dc-44f6-b64d-21139e8b0ac5&viewtype=detail
この、ぴょこんと芽が出てるの、ぼくはものすごく好きで、ああ生きようとしてるんだな、と元気がもらえます。
トロ箱には土と一緒にサトイモが入ってるわけですが、この浅さがちょうどいいですね。あまり深い入れ物にサトイモを入れると、発芽がうまく確認できなくなってしまいます。
サトイモから、あの蓮の葉のような小さな双葉が出てくると、植え付け適期です。それくらいまで育つと、植え付けてから枯れてしまうことはほとんどありません。
芽出しにはだいたい一か月くらいかかるんですが、別に毎日水をやったりする必要もなく、最初に軽くじょうろで表面を湿らせておいたら、ぼくは不織布をかけておいて、それでほったからしにします。
トロ箱の場合は穴が空いてないので、水をやりすぎるとよくありません。それに最初のうちは、イモは土さえされば種芋を養分に育ちますから、水やりに関してはむずかしく考えなくていいでしょう。
というわけで、今回はトロ箱でサトイモの芽出しをしてみたということについて書いてみました。
おそらく次のサトイモについての記事は、植え付けするころになると思います。