毎年年末になると清水寺で「今年の漢字」が選ばれて、メディアがそれを取り上げて大騒ぎするというのが恒例になってますが、あれは1995年から公益財団法人の日本漢字能力検定協会が主催しているキャンペーンなんですね。
原則的に毎年12月12日の「漢字の日」に合わせて発表されるんですが、その年の世相を反映した漢字をひと文字だけ選ぶというもので、2019年の今年は「令」でした。
今年5月1日に天皇陛下が即位され、平成から新しい元号の令和となりましたが、その「令」です。
元号だけでなく芸能界の不祥事における法「令」順守という意味合いや、法「令」改定による消費税増税などを含めているそうな。
「今年の漢字」は重複することがある
そんな「今年の漢字」なんですが、特定の漢字においては重複することがあります。
たとえば2000年には「金」という漢字が選ばれましたが、このときはシドニーオリンピックでの金メダルや、朝鮮半島の金大中、金正日による南北首脳会談、ダスキンのCMで一躍ときの人となった成田きんさんが亡くなられたことなどが理由です。
それで、2012年にも「金」なんですね。このときもロンドンオリンピックで金メダルラッシュ。金環日食などのめずらしい天文現象などが理由に挙げられています。
さらに2016年にも「金」。今度はリオデジャネイロオリンピックでの金メダルラッシュ。また政治とカネ問題。日銀マイナス金利などの金融政策。金髪金持ちドナルドトランプの大統領選挙勝利などが理由に挙げられています。
いわばオリンピックイヤーに「金」が選ばれる確率が非常に高いんですね。その確率なんと50パーセント。
そうするとやはり、2020年の今年の漢字も「金」が選ばれる可能性はじゅうぶんにあります。
あと重複しているのは「災」。これは2004年にえらばれています。この年もアテネで夏季オリンピックが行われているんですけど、台風の連続上陸や浅間山の噴火、美浜原発の事故や三菱リコール隠しなどが選ばれており、2位は「韓」、3位は「震」と、オリンピックの影はありません。
2018年も「災」で、やはり自然災害が連続しているんですね。またパワハラ問題や公文書改竄など人為的災害、人災が大きく取り上げられた年でもありました。
ところで余談なんですが、この「災」が取り上げられたふたつの年は、ぼくの住んでいる近畿北部も大きな被害を受けています。
わが住んでいる集落で語り継がれるほどの大災害のあったふたつの年で、「今年の漢字」が「災」だったということも不思議ですが、それだけその年の日本全体に大きなインパクトを与えたということなのでしょう。
2020年の「今年の漢字」について考える
さて、2020年なんですけどね、やっぱりオリンピックイヤーで、しかも東京五輪でしょう。
そうすると、ふつうに考えると「輪」が選ばれる可能性がとても高いと思います。
ちなみに「輪」は2013年に選ばれています。この年に2020年の東京五輪招致が決定したこともあり、また野球球団の楽天が日本一を飾ったことで東北に歓喜の輪が広がったとか、日本を含むアジアの台風災害で世界中から支援の輪が広がったことなどが挙げられています。
「今年の漢字」とおなじく年末の話題作りに欠かせないのが、ユーキャンの新語・流行語大賞ですが、2013年の年間大賞は滝川クリステルさんの『お・も・て・な・し』でした。
やっぱり来年はオリンピックのインパクトが非常に強い一年になると思いますから、五輪関係の漢字が選ばれる可能性が鉄板だろうと思います。
さすがに「金」はパターン化しすぎてると思うので、可能性としては低いと思うんですけど、ただ2度あることは何度でもありますからね。
オリンピックで金メダルラッシュが起きたり、経済情勢での問題、とりわけショックが起きた場合には、「金」が選ばれる可能性もじゅうぶんあります。
五輪一色になる可能性が高い
おそらく来年に関してはネガティブなイメージのある漢字が選ばれる可能性は非常に低いと思います。
オリンピックは官民一体の大キャンペーンですから、一色に染まっていくでしょうし、ほかにかなり大きな出来事があっても、基本的にはオリンピックで総括をすることになるかと思います。
スポーツというのは熱がこもる話題でありながら、同時に無難ですからね。
じつはこの今年の漢字には2位と3位があるんですが、こちらはかなり不穏な言葉が並ぶことが多いです。
なんと2003年までの間に2位か3位に6度も「乱」が選出されていますし、2007年と2014年には「嘘」が選出。
また「今年の漢字」がはじまった1995年に、阪神大震災があったことで選ばれた「震」はその後、2004年と2011年にも3位に選出されています。いわずもがな、2011年には東日本大震災がありました。が、この年に選ばれた漢字は「絆」です。
傾向をみていると、「今年の漢字」がはじまってしばらくは不穏なイメージのある漢字も多く選ばれていたのですが、徐々に前向きな言葉が選ばれるケースが増えてきたように思えます。
今年2019年は、「令」「新」「和」と、まったく毒気のないみっつの漢字が並んでいます。
社会全体の醸し出すムードもあると思うんですが、このような無難な文字が選ばれる傾向が高くなってきたことも踏まえて、ぼくの予想としては、五輪関係の文字で、「輪」が選ばれるのではないかと予想します!
というわけで、来年末にまた結果と総括をしたいと思います。忘れないようにしないとな(笑)